バリ舞踊(レゴン・トランス:パラダイス・ダンス) -2-
レゴン・トランスの後は、ジャウックが始まります。
ジャウック(Jauk)とは鬼神が森の中で一人で戯れる姿を踊りにしたものです。数あるトペン(仮面)舞踊の中でもよく独立して定期公演の演目に取り入れられる舞踊劇です。
顔に群がる虫とじゃれあったり、フルートを吹いてみたり、クンダン(太鼓)とじゃれてみたり、木々を崇拝したり等、ジャウックの感情を自由に表現しています。
さらに、仮面の裏に隠れた踊り手自身の感情も即興で表現しています。
観客は欧米人でいっぱいでした。
ジャウックの後は、レンチャナ・アグン・ウブド(Lencana Agung Ubud)が始まります。
レンチャナ・アグン・ウブドは、インドネシア国立芸術大学デンパサール校(ISI Denpasar)の教授であるイ・ニョマン・チュリタ氏がウブドのシンボルマークをイメージして作った創作舞踊です。
レンチャナはインドネシア語でシンボル(印)、アグンは偉大という意味で、男性は儀式などで使われる大きな傘を持ち、女性はお供え物と人形(ワヤン)を持って踊ります。そのシンボルはアルダチャンドラ(半月)、ウィンズ(太陽)、コスモス(地球)、ナガ(龍)で構成され、バリヒンドゥー教では「月と太陽は地球を守り、龍は地球を支えている」という教えがあり、その思想をもとに表現されています。
この二匹の龍はバリ島全体を守っているという意味を持ちます。ウブドの人々はこのシンボルに力があり、いつも自分達は守られている、と信じています。