バリ島の風景 -1-
テガラランのライステラスを観光後、ティルタ・ウンプル寺院へ行こうと思いバイクで走っていたら迷ってしまい、たまたま綺麗な田園風景を見つけました。
スバック
スバックとは、ヒンドゥー教の哲学「トリ・ヒタ・カルナ」を基としたバリ島独自の水利システムで、8~9世紀に形成されたとされています。
「トリ・ヒタ・カルナ」とは、サンスクリット語の「トリ(3)」・「ヒタ(幸せや喜び)」・「カラナ(理由や原因)」を表し、「神と人間、自然と人間、人間と人間の3つの調和がとれて初めて真の幸福が訪れる」というバリ・ヒンドゥー教の教えであり、この教えに基づき、治水事業、灌漑事業、そして神事やお祭りなど稲作を中心として、生活文化すべてに関わり合いを持つのがスバックです。
スバックに基づくバリの文化的景観は、2012年に「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム」として世界遺産に登録されました。
豊かな河川と肥沃な土に恵まれたバリでは、古来より水田稲作が発達してきました。年中温暖なバリ島では、二毛作(場所によっては三毛作)が一般的なので、田への給水や排水の調整を工夫し、より多くの収穫が出来るような水の管理が必要でした。スバックはこうした田の水利を管理し、農業関連の儀礼を共同で行う水利組合でもあり、農民で構成されます。水源から流れてきた水をダムのような場所で貯水し、それを均等で公平に配分できるよう管理されています。そして同時に、スバックごとに寺院を持ち、水の神や稲の神様への崇拝や、水田に関わる宗教行事を行ったりもします。