コトル(モンテネグロ)
モンテネグロ西部の都市コトル(Kotor)は、バルカン半島西側の、アドリア海の複雑に入り組んだ湾の最も奥に位置しています。
コトルは複雑な海岸線と険しい山々に囲まれた天然の要害の地であることに加え、背後の山に沿って城壁が築かれるなど、堅固な要塞として栄えました。
狭い石畳の路地が走る旧市街は、貿易によりもたらされた富で築かれた豪華な館や、美しい教会が建ち並んでおり、「コトルの自然と文化歴史地域」として1979年にユネスコの世界遺産に登録されています。
モンテネグロはバルカン半島の南西にある国で面積は福島県と同じくらいの小国です。国名のモンテネグロ(Montenegro)は、イタリア語で「黒い山」を意味します。旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国崩壊後の1992年、隣のセルビア共和国とユーゴスラビア連邦共和国を形成し、2003年、国家連合「セルビア・モンテネグロ」に移行、2006年、モンテネグロ共和国として独立を宣言し、翌2007年に国名を「モンテネグロ」に変更した国です。
山に築かれた城壁
城壁に囲まれた旧市街の入口
三輪車を奪い合う子たち
旧市街の入口「海の門」
門の上にはユーゴスラビアの国章のレリーフと、その下には「TUDE NECEMO SVOJE NE DAMO TITO」の文字が刻まれています。英語で「Theirs we don’t want, ours we don’t give.」という意味で、のちにユーゴスラビア大統領となったチトーのスローガンです。
「21-XI-1944」は、1944年11月21日が、チトー率いるゲリラ組織によって、イタリア降伏後も占領していたナチスから解放された日です。