ゴア・ガジャ(Goa Gajah) -3-
「ゴア・ガジャ」の洞窟
入口に巨大な顔のレリーフが彫られた洞窟は、1923年になって発見されたものです。その顔の口の部分から内部へ入ることができますが、発見当時はこの顔のほとんどは崩れ落ちており、残った部分で判別をすると、それは魔除けのための怪物のようにも見え、「魔女ランダ」や「ボマ」、「シヴァ・パスパティ」(アグン山とバトゥール山を造ったといわれる神)だと言われていますが、いまだに詳しいことは分かっていません。
洞窟の中は人間が立てるくらいの高さがあり、湿度のある静かな空間で、外界と異なった空気と時間が流れている感じというか、とても神聖な場所だということが肌で感じられます。
洞窟は奥に進むと左右に長く延びており、その長さは13mにわたります。
この洞窟の両端にはそれぞれ祭壇が設置され、左側奥にはガネーシャ像が祀られています。ガネーシャはシヴァ神の子で「知恵の神」です。
右側奥には3体の「リンガ」・「ヨニ」が祀られています。
3つの石像はヒンドゥー教の三位一体の神を表し、そのヒンドゥーの三大神は、ブラフマ、ヴィシュヌ、シヴァで、創造、繁栄、破壊、そして火、水、風の象徴となっています。この3つの石像は、それぞれが上下に分かれていて、上の丸い形をしたものが「リンガ(男性器)」、下の四角い受け皿のようなものを「ヨニ(女性器)」と呼び、「天と地」、「男と女」、「陰と陽」などのこの世に存在する相反する二極の事象を表現しています。
洞窟の壁には15の穴が掘られており、この穴の中で僧侶が瞑想を行ったり、睡眠を取ったりした場所といわれています。